なりたち
会意 もとの字は劑に作り、齊と刀(刂・りっとう)とを組み合わせた形。齊はこの字の場合は𪔉(せい)を省略したもので、その𪔉とは青銅器の方鼎(ほうてい)をいう。𪔉に刀を加えるのは、方鼎の側面に刀で銘文を刻むこと。銘文を刻んで約束すること、またその銘文を剤といい、「けいやく・けいやくの文書・わりふ」の意味となる。「周礼」に「質剤(契約書)を以(もっ)て信を結ぶ」というのは、取引に先立って、その条約をきめた契約書を取り交わすことをいう。円鼎に刻んだ銘文は則(のり)という。のち、「薬剤(くすり)」などの意味に用いる。