なりたち
形声 もとの字は譯に作り、音は睪(えき)。睪は獣の屍体(したい)の形で、その屍体をばらばらに解きほぐすことを釈という。「説文」に「四夷(しい)の言を博譯(でんやく)する者なり」とあって、異なった言語を自国語に言い直す人をいう。ある言語を一つ一つに解体し、別の言語に改めること、他国語の意味を伝えることをいう。中国の周辺には言語の異なる多くの異民族がおり、古くから伝訳(他国語に移しかえて伝えること)のことが行われ、「国語、用語」に「舌人」、「周礼、秋官、大行人」には「象胥(しょうしょ)」の伝訳の官があった。国語では「わけ」とよみ、言訳(いいわけ・事情を説明して、失敗などの弁解をすること。申し開き)、内訳(うちわけ・事情。また、金銭・物品の内容を項目別に細かに分けたもの)、訳(わけ、意味)が違うのようにいう。