なりたち
形声 音符は先(せん)。先は止(足あとの形。古い字は之(し)と同じ)と人(儿・じん)とを組み合わせた形。行くの意味がある。その先に水滴を加えている形が甲骨文字にみえる。甲骨文字には、舟(水盤の形)に止を加えて歬(ぜん)の形に作る字があり、盤中の水で足を洗う意味の会意の字であった。洗は、「足をあらう、あらう」の意味に用いる。古い時代には旅から帰ると、まず足を洗い清め、他の地で付着した穢(けが)れを祓(はら)う風俗があり、唐代の杜甫の詩〈彭衙行(ほうがこう)〉に「湯をあたためて我が足を濯(あら)う」の句がある。