なりたち
形声 音符は臤(けん)。臤は臣(上方を見ている目の形で、大きな瞳)に又(手)を入れる形で、眼睛(瞳のところ)を傷つけて、視力を失わせることをいう。このような方法で視力を失った者が臣(つかえる、しもべ)で、神に捧げられ、神に奉仕する者であった。臣の中には普通の人と異なって、様々のすぐれた才能を持つ者がおり、その人を臤という。臤が賢のもとの字で、古く臤を「かしこい」という意味に使っている。貝(ばい)は遠く南方の海でしか採れない子安貝(こやすがい)で非常に高価な物とされ、貨幣としても使用された。それで臤に貝を加えた形の賢は高価の意味になるであろうが、臤にかわって、「かしこい、まさる、すぐれる」の意味に使われるようになった。