なりたち
形声 もとの字はふ(下図・父に巾)に作り、音符は父(ふ)。「説文」に「枲(あさ)の 織(おりもの)なり」とあり、麻で織った「ぬの」をいう。古くは木綿がなく、麻が織物の主要原料であった。木綿は南方が原産であるので、のちに移入されたのである。中国古代には青銅製の貨幣のひとつに農具の鋤(すき)の形をした布銭あった。「詩経」に「布(ふ)を抱(いだ)きて絲(いと)を貿(か)う」(布をかかえて来て絹糸を買う)とあり、そのような行商人がいた。敷と通じて「しく、ひろげる、つらねる」の意味に用いる。
もとの字