なりたち
会意 廌(たい)と心を組み合わせた形。古く裁判は双方から解廌(かいたい)とよばれる羊に似た神聖な獣をさしだして神の裁きを受けるという神判(しんぱん)の形式で行われた。その裁判に勝訴した者の解廌には、解廌の胸に心の形の文身(一時的に描く入れ墨)を加えて吉慶(めでたいこと)のしるしとした。それで慶とは神判による勝訴の字であるから、神によって与えられた、「よころび・たまもの・さいわい」というのがもとの意味である。のちには人を祝うなどの意味にも用いる。敗訴者の解廌は殺し、敗訴の人(大。立っている人を正面から見た形)と宣誓に使った祝詞(のりと)を入れる器(
さい)の蓋(ふた)を取ったもの(𠙴・きょ)とを合わせたもの(合わせた形が去)とともに、水に流して棄てた。その字は灋ほう・法のもとの字)で、廃(す)てるという意味となる。