なりたち
形声 もとの字は揭に作り、音符は曷(かつ)。曷は死者の骨(匃)に、神への祈りの文である祝詞(のりと)が入っている器(曰・えつ)を加えて、死者の骨を呪霊(じゅれい)として激しく祈る呪儀をいう。その激しい祈りの声を喝(かつ)といい、大声で祈ってのどがかわくことを渇(かつ)という。神に祈り求めることを謁(えつ)といい、自分にかけられているのろいを祈ってさえぎり、抑えることを遏(あつ・とどめる)という。音が曷(かつ)の字はみなその呪儀に関する字である。道殣(どうきん・行き倒れの人)は怨霊(おんりょう)を鎮(しず)めるために楬(けつ・墓標)を立てた。高い札の墓表を立て掲げて行き倒れの人があることを掲げて、道殣のあることを掲示した。それで掲は、「かかげる・あげる」の意味となる。