なりたち
形声 音符は禺(ぐ)。禺は、顒然(ぎょうぜん・じっと坐っている様子して)として、うずくまるような姿の動物の形。そのような形をした、「ひとかた(人の形をしたもの)」を偶という。その材質によって土偶(土で作った人形)・木偶(木で作った人形)のようにいう。人に呪詛(じゅそ・呪い)を加えようとするとき、その木偶人を作って呪詛を加えるなど、呪儀の対象として作られた。偶人(ひとかた)は副葬品(死体にそえて埋葬するもの)として使用されることもあり、その場合には二つずつ並べられることが多かったので、偶は「ならぶ、偶数」の意味ともなる。