なりたち
形声 音符は昜(よう)。昜に暢(ちょう・のびる)の音がある。「説文」に「大小の腸なり」とあり、「ちょう、はらわた」の意味とする。小腸の存在することも古くから知られていた。脹もはらわたの意味に用いることもあるが、脹はのちに作られた字であろう。悲痛の情がはなはだしいときに、胃腸にも痛みを感じることがあって、断腸の思い(はらわたが断ち切れるほどの悲しくて痛ましい思い)のようにいう。蜀(しょく)の三峡で子猿をつかまえた兵士のあとを百里余りも追いかけてきて死んだ母猿がいた。その母の腹を裂いてみると、腸がずたずたに切れていたので、晋の車騎将軍であった桓温(かんおん)はその兵士をやめさせたという。