なりたち
会意 㕞(せつ)を省略した形と刀(刂、りっとう)とを組み合わせた形。㕞は人(尸、し)が前の帯から垂らした巾(きれ)で手(又、ゆう)を刷(ぬぐ)う形で、ぬぐう、ふきとるの意味となる。刷は㕞と通じて「ぬぐう、はらう」の意味に用いる。刷は「説文」に「刮(けづ)るなり」とあるように木簡(文字を書くのに使う薄くて細長い木の札)などを刮(けず)るの意味。それで削って字を消し再び字を書くので「する」の意味ともなり、印刷(版画にインクをつけ、版画上の文字や絵を紙・布などに刷り写すこと)のようにいう。紙がまだない木簡を使用した時代に作られた字である。