なりたち
形声 音符は卸(しゃ)。卩(せつ)は人が跪(ひざまず)いて拝む形。古い字形では霊的な力を持つ幺(よう・糸たばをねじった形)や午(杵(きね)の形)を拝み、天から神を降ろし迎えて邪悪のものを防いだ。災いを防ぐの意味には、のち禦(ぎょ・ふせぐ)の字を使う。御は「むかえる・ふせぐ」がもとの意味であるが、神を迎え神に仕えることから、「つかえる・もちいる」の意味となり、御衣(皇帝の衣服)のように高貴な身分の人の行為や物につけて用いるようになった。馭(ぎょ・のる)と音が同じであるから馭の意味と通用することがあり、馬や馬車に乗る、扱うの意味にも使う。国語では「おん、お、み」とよみ、御身(おんみ・おからだ。また、あなた。あなた様)・御召物(おめしもの・着る人を敬ってその着物をいう語)・御霊(みたま・神や高貴な人の霊をいう語)のように、尊敬を表す接頭語として用いる。