なりたち
会意 𠫓(とつ)とはん(下図)と廾(きょう)とを組み合わせた形。𠫓は生まれたばかりの子を逆さまにした形。はんは、わらなどを編んで作った入れ物であるふご。廾は左右の手を並べた形。生まれたばかりの赤子をふごの中に入れ、両手で遠くへ押しやる形で、赤子を「すてる」の意味になる。古くは初めて生まれた子を棄てたり、あるいは水に浮かべてみて、養うかどうかを決める習俗もあった。周王朝の始祖である后稷(こうしょく)は生後に一度棄てられ棄と名付けられたが、めでたいしるしが現れたので育てられたという伝説がある。