なりたち
仮借 うすく切った肉片を日に乾かした乾肉(ほしにく)の形で、腊(せき・ほじし)のもとの字である。昔が、「むかし、ひさしい、きのう」など、時の関係を示す意味に用いられるようになって、「ほじし(ほしにく)」の意味の字として、月(にくづき・肉)を加えた形声の字の腊がつくられた。「きのう」のことを疇昔(ちゅうせき)のようにいい、それより仮借(かしゃ)して昔は時の関係を示す語となった。「いま、きのう」などの時を字形で表現することは困難であるから、今・昔をその意味に用いるのはその音を借りる仮借の方法である。