なりたち
象形 青銅器などの材料となる銅塊を二つ並べた形。「かね」をいう。甲骨文字・金文の字形は、上下を連ねる線がなく吕(りょ)の形である。金文ではその銅塊を「膚りょ(下図)・ふりょ」とよんでいる。また、脊椎(せきつい)の骨の連なる形と解釈して、「説文」に「脊骨(せぼね)なり。象形」とし「せぼね」の意味とする。この意味の字には、のちりょの音をとって膂(ちから、せぼね)がつくられた。宀(べん・宮廟(きゅうびょう)の屋根の形)と呂(りょ)とを組み合わせた形の宮は、もと吕とかかれ、宮室が前後に連なっている平面図である。ろは呉音で、わが国では呂律(ろれつ・ことばの調子)・風呂(ふろ)などのように用いる。