なりたち
仮借 甲骨文字と金文の字形は荒目(あらめ)の籠(かご)の形。おそらく鳥の栖(す)の形であろう。「説文」に「鳥、巣上(そうじょう)に在るなり。象形。日、西方に在り鳥西す(巣に入る)。故に因りて東西の西と為(な)す。」とあり、西の上に鳥が首を出す形と見ているが、栖の形そのままとみてよい。木の上に巣があり、巣の中に雛(ひな)がいて、その首が三つ並んでみえる形が巣である。田の部分が西の形にあたる。西を方向の名の「にし」の意味に用いるのは、「あらめのかご」の意味とは関係なく、その音を借りる仮借(かしゃ)の用法である。