なりたち
象形 正面から見た牛の形。前から見た羊の形の羊と同じかき方であるが、羊に比べて角(つの)が大きくかかれている。角の間の縦の線が体で、角の下のV字形や横線は牛に特徴的な腰の骨が突起している形を表している。古代の中国では、牛は羊や豕(ぶた)などとともに祭祀(さいし・祭り)のときに供えられる犠牲(いけにえ)として使われ、最も重要な犠牲とされた。「牛をにる鼎(かなえ)を作る」という文が鋳込まれた高さ数十センチの大きな鼎(てい・もと煮炊(にた)き用の器で、祭器として用いる)と呼ばれる青銅器がある。牛は体が大きいので二つに分けることもあったらしく、牛を真ん中で分けることを半(わかつ、半分)という。それでもその肉は胖(ゆた)かであった。諸侯が集まって誓いの儀式(会盟)をするとき、牛の左耳を切り、その血をすすって誓ったので、会盟を司会することを、牛耳を執(と)るといった。