なりたち
象形 もとの形は、
(𨸏・ふ)に作り、神が陟(のぼ)り降りするときに使う神の梯(はしご)の形。わが国では「たかはし・(高いはしご)」とよぶものである。「説文」に、石の無い大きな土の山、丘の意味とするが、山や丘を
のように垂直の形にかくことはない。阜は部首としては阝(こざとへん)となるが、阜が神梯(しんてい)の形であることは、阿(あ)・隠・限・際・障・防・陽・猥(わい)などの字が、神梯や神梯のある場所に関する字であることから明らかである。𨸏と目(人に呪(のろ)いをかけ、災い与える力をもつ呪眼(じゅがん))と匕(ひ・後ろ向きに退く人の形)とを組み合わせた形の限は、神梯の前の神聖な場所に掲げられた呪眼を前にして退く人の形で、ここを極限として進むことができないので、かぎる、かぎりの意味となる。𨸏と字形が似ている𠂤(し)は、官や師の字の要素であり、戦勝祈願の祭りに供えられた祭肉・脤肉(しんにく)の形で、𨸏とは関係ない。