なりたち
形声 もとの字は蠻に作り、音符は䜌(ばん)。金文には䜌を蠻の意味に用いており、䜌が蠻のもとの字である。「説文」に、「南蛮なり。蛇種(だしゅ)」とあり、南方の「えびす」(異民族)で蛇(じゃ・へび)の類であるとする。䜌は神への誓いの言葉を入れた器に糸飾りをつけている形で、䜌をえびすの意味に用いるのは仮借(かしゃ)の用法である。のち䜌に虫(き・蛇などのは虫類の形)を加えるのは、南方の諸族を蛇種と考えるようになったからである。北方の異民族は狄(てき・えびす)といった。蛮行(乱暴なふるまい)・蛮人(野蛮な人)・蛮声(下品な大声)・蛮勇(向こう見ずに突進する勇気)・野蛮(文化が開けていないこと。また粗暴なこと)のように、「あらい・乱暴」の意味にも使う。