なりたち
会意 雨と革(かく)と月とを組み合わせた形。革は獣の皮の形で、頭から手足まで全体の皮をこらいてなめした形である。古い字形には䨣(は)があり、獣の死体が風雨にさらされて色を失い、白くなっている形である。その白さが残月が光を失っている色に似ているので、月を加えて霸になった。霸は白くなった獣の死体であるから、「しろい」の意味となる。伯と通じて、「はたがしら・はしゃ」の意味に用いる。この意味に用いるのは音のみを借りる仮借(かしゃ)の用法である。伯(かしら)はもと白に作り、白は白骨化した頭蓋骨(ずがいこつ)、されこうべの形で、霸と同じく「しろい」の意味がある。周代の金文では月の表面の輝きの変化によって、一か月を四週に分けて、初吉(しょきつ・第一週)・既生覇(第二週)・既望(第三週)・既死覇(第四週)といった。常用漢字の覇は、もと霸の俗字である。