なりたち
形声 もとの字は稻に作り、音符は舀(とう)。舀に滔(とう・はびこる)・慆(とう・よろこぶ)の音がある。舀は臼(うす)の中の物を爪(そう・指先)で取り出す形で、金文には、臼の中の物がこぼれている字形がある。禾(か)は稲の形である。稲は、「いね」の意味に用いる。滔(とう)は臼の中のものがあふれてこぼれるように、水があふれる、はびこるという。簠(ほ・きびなどを入れて供えるときに使う青銅器)の銘文には、「用(もっ)て稻梁(とうりゃう・稲とおおあわ)を盛(も)る」という表現がよく使われる。稲は神への供え物の一つであった。