なりたち
象形 繳(しゃく・いぐるみの紐(ひも))の形。弓にいぐるみ(矢に紐などをつけて放ち、鳥などにからませて捕るもの)の紐をからませている形である。のち弔はいぐるみの意味に用いることはなく、戦国時代(紀元前五世紀~前三世紀)以後の文献に、「とむらう・いたむ」の意味に用いる。いぐるみの紐の字として、弔に代わって形声の?が使用されるようになった。「説文」に「弔は終わりを問うなり」と、弔問(遺族をとむらい慰めること)の意味とし、字形を「人と弓に従(したが)う」と、人と弓とを組み合わせた形で、とむらうの意味となるのは、古くは人の死体をいったん草野に棄てて、風化するのを待って骨を拾うので草野の獣を追うために弓を携えて行って、遺骨を拾い死者をとむらうという意味であろう。繳の音が淑(しゅく・よい)と近いので、弔が淑の意味に用いられるようになった。