なりたち
形声 もとの字は遲に作り、音符は犀(さい)。犀に墀(ち・ぬる)・穉(ち・わかい)の音がある。甲骨文字、金文の字形は遟(ち)に作り、音は屖(い)。屖は人の後ろから辛(把(とっ)手のついている刑罰用の大きな針)で罰を加える形。これに辵(ちゃく・辶、辶。歩くの意味がある)を加えて歩行が困難になることを遅といい、「おそい・おくれる・のろい・はかどらない」の意味となる。「詩経、邶風(はいふう)、谷風(こくふう)」は棄てられた女のことを歌う詩で、「道を行くこと遲遲たり」(足どりも重く重く)の句があり、遲遲は擬声的な字である。