なりたち
形声 もとの字は膽に作り、音符は詹(たん)。胆はその略字で音は旦(たん)。「説文」に、「肝(きも)を連ねるの府なり」とあって、肝臓の右に位置し、胆汁を分泌(ぶんぴつ)する器官である「胆嚢(たんきも)・きも」をいう。肝臓と胆嚢は連動して働くもので、肝胆相照らす(互いに心の底まで打ち明けて親しく交わる)という。胆は胆力(たんりょく・物事をやってのける精神力。きもったま)を発するところとされ、大胆(普通の人が恐れることでも平気でやってのけること)・胆勇(大胆で勇気のあること)・胆略(大胆で思慮深く計略に富んでいること)のように用いる。ぞっとさせることを、心胆(こころ、きもだま)を寒からしめるという。