なりたち
象形 丹(に)を採取する井戸の形。井戸の中に丹(硫黄(いおう)と水銀の化合した赤土。また、朱色)がある形である。それで、「に(赤色)、あか」の意味となる。丹を含む硫黄類は地中の隙間から上昇してくるので、その鉱脈は縦に連なっている。それを掘鑿(くっさく)するのには、井戸のように竪穴(たてあな)を掘る。中国では、水銀をとり、赤色の絵の具をとるために種々の方法が試みられ錬丹術(れんたんじゅつ)が発達した。薬の名前に丹の字がついたものが多いのは、丹によって長生きできるという考えがあったからである。丹青(赤の絵の具の材料になる石と青の絵の具の材料となる土。また、赤い色と青い色)のようにいうが、丹誠・丹精・丹心(まごころ)・丹念(まごころをこめて取り扱うこと)のように、「まごころ」の意味にも用いる。