なりたち
形声 もとの字は澤に作り、音符は睪(えき)。睪に擇(たく・択・えらる)・鐸(たく・おおすず)の音がある。「玉篇」に「水停(とど)まるところを澤と曰(い)う」、また「風俗通、山沢」に「水草交厝(さく・錯)す」とあり、沼や湖の水草の生えているところ、「さわ」の意味とする。また「説文」に「光潤なり」とあり、「つや」の意味として、光沢(つや)のようにいう。潤沢(物などが豊かにあること)、恩沢、恵沢(めぐみ)のように、「うるおす・めぐみ」の意味にも用いる。長い間使用した器物や書物の手の触れたところについたつやや手あかを、手沢という。