なりたち
形声 音符は㳄(せん)。古くは羨道(えんどう・はかみち、墓道、せんどうとも読む)・羨余(せんよ・あまり)の意味に用いている字である。羨道は神道ともよばれ、犠牲(いけにえ)を供えて祭るところである。その祭りの後、犠牲の肉の余りを人に分けるところがあって、羨に「あまり」の意味があるのであろう。㳄は口を開いてよだれを垂らす形であるから、犠牲の羊の肉を前にして㳄(よだれ)を垂らしてうらやむことを羨といい、「うらやむ、ほしがる」の意味となるという解釈があるが、「うらやむ」はのちに生まれた訓であろう。うらやむことを羨望(せんぼう)という。