なりたち
会意 もとの字は竊に作り、穴と米と禼(せつ)とを組み合わせた形。禼は小さな虫が集まる形。穴蔵の中に貯蔵している米の中に多くの虫がわき、知らぬ間に米を食い荒らすことを竊といい、「ひそかに・ぬすむ」の意味となる。「説文」に「盗、中より出(い)づるを竊と曰(い)う」とするが、盗は血盟のとき、盤中の血の中に涎(よだれ)を垂らしてこれをけがし、血盟に叛(そむ)く叛逆者(はんぎゃくしゃ)をいう。穀物を食い荒らす虫を蠹(と・むし、きくいむし)という。蠹は穀物を入れた橐(ふくろ)の中に虫が二匹入っている形である。