なりたち
会意 宀(べん)と夗(えん)とを組み合わせた形。宀は祖先の霊を祭る廟(みたまや)の屋根の形。夗は坐(すわ)っている人の膝(ひざ)がふくよかにもり上がっている形である。宛は廟の中に坐って神霊を拝している人のかたちで、「かがむ、まがる」の意味に用いる。また宛然(そっくりそのまま、さながら)の意味から「あたかも、そのまま」という意味に使用する。ゆるやかにめぐるさま、また、女のまゆの美しいさまを宛転という。国語では「あて、あてる、ずつ」とよみ、宛名(あてな)、一人に二本宛(ずつ)配るのようにいう。